Works of Art〜美術工芸品図録12
17thC Carved Tusk Hafted 2-Plong Fork
17世紀牙彫柄付き2本プロングのフォーク
c1680 South Germany
1680年頃 南ドイツ
刻印なし 長さ:18.3cm
ヨーロッパに初めてフォークが登場したのは11世紀のヴェニスと云われるが、王侯貴族が食事で使用することが定着するのは17世紀であった。このフォークは真っ直ぐなスチール製の2本プロングの17世紀後半の作品で、ヨーロッパの食文化において最も古いテーブルフォークのひとつである。この後プロングは3本4本と増え、食べ物を掬い上げる湾曲した形へと進化する。
肉を刺す道具にふさわしく狩猟をイメージした獣牙の柄(持ち手)は、複雑に絡み合った猪や鹿、野ウサギと猟犬を刻んでいる。色の濃い斑の部分を生かして螺旋状に構成した動きのある動物12匹の牙彫刻はバロック的な雰囲気が漂う。修復箇所あり。