Works of Art〜美術工芸品図録24
French Carved Relief Portrait of Infant
フランス牙レリーフ幼子の肖像
c1824 France
1824年頃 フランス
イメージサイズ:直径 4.6cm 額:10.0 x 9.8cm
サインなし
高貴なロイヤルブルーのガラスを背景に、首飾りをした幼女の横顔の胸像の薄い牙レリーフを貼り付け額装した肖像である。額裏ラベルのセピアインク(=イカ墨)による書き付けは、文字が虫喰いされ判読困難な状態であるが、かろうじて"Royale(王室)"に関連した肖像ということと、フランス復古王政期、1824年の作品であることが読み取れる。
黒い薄紙を切り抜き人物の横顔を作るシルエット(切り絵)による肖像技法は、18世紀から写真が登場する19世紀までヨーロッパで流行したが、この作品はシルエットのエッセンスを生かしつつも、高級な素材であるブリストルグラスと獣牙を使ってさらなる手間を掛け仕上げた工芸品である。イタリアのカメオ彫刻とも雰囲気が異なり、牙彫を得意とするフランスらしい逸品と言える。