Works of Art〜美術工芸品図録32
BACCARAT "Japonisme" Enamelled Glass Small Vase
バカラ「ジャポニスム」エナメルガラス小花生け
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
マーク:9 高さ:10.0cm
1764年ルイ15世から工場設立を許可されて以来250年以上の歴史を持つクリスタルガラスの最高峰バカラは、19世紀のパリ万博において3度に渡り金賞獲得を果たす。19世紀後期にはテーブルウェアとは別に、中国の水晶彫刻など万博に出品された東洋工芸品の影響を受けた東洋趣味の芸術作品を制作する。
この花瓶はその時代の作品で、水晶細工を模したのか10cm程度の小さなサイズ、透明で厚みのあるガラスに「ジャポニスム(日本趣味)」の花と蝶をエナメル絵付けしている。顔料の盛り上げや吹き付けなど巧みなエナメル細工がフランス的優美さを、余白を残したデザインが日本的幽玄さを表すオールドバカラの美術工芸品である。