Books〜古書図録18
Jeremias Drexel "CAELUM, beatorum civitas aeternitatis"
イェレミアス・ドレクセル 『カエルム(天国)永遠に祝福されし国』
1635 C. Leysser Munich Germany
1635年 C. Leysser ミュンヘン ドイツ
初版 9.3 x 4.6cm 643p+27p(図版1葉)ラテン語
ドイツ(神聖ローマ帝国)イエズス会の作家で人文学者のイェレミアス・ドレクセル(Jeremias Drexel 1581-1638)が執筆した永遠に関する神学的考察書AETERNITATIS(永遠)3部作の最終巻 "Caelum(天国)"である。この書は1635年ミュンヘンで出版された初版本で、市場に多く出回るアントワープ版と比べて珍しい。
名刺ほどの小さなサイズのページを600ページ以上、4cmほどの厚さに綴じた束(ツカ)に羊皮紙の表紙とベルトを付けた装幀がバロック的な書物である。文中に挿絵は無いものの顔のある太陽や頭上に旗を掲げる骸骨など象徴的な意匠を緻密に描いた標題紙(タイトルページ)の図版は大変魅力がある。宗教改革後のドイツにおいてひとりのイエズス会士が天国について綴った文章を掌に載る書物に仕立てた、興味深い一冊である。見返しにインクの書き込み、全体に経年によるヤケあり。ベルトの留め具の一つに欠けあり。
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