Doll〜人形図録23
Neapolitan Polychrome Carved Wood Infant Jesus
ナポリ彩色木彫「幼子イエス」
Early 18thC Naples Italy
18世紀初頭 ナポリ イタリア
高さ:14.3cm
彩色した木彫にガラスの義眼を嵌めた幼子イエスの小像である。一本彫りではなく左の二の腕部分で接がれている。指まで丁寧に彫刻されているが一部欠損している。歯や舌を表した精巧な口元や目を見開き輝かせる表情がリアルな赤子を思わせる。18世紀ナポリの宗教人形の多くは木材から細工の容易なテラコッタ(焼き物)に取って代わられ、この作品の様に全身を木彫したものは比較的珍しい。
お尻に穴が穿たれており、元来は聖母に抱かれていた可能性もある。臍や性器まで彫刻された掌の中の木像は、修道院で修道女によって手作りの衣装を着せられ可愛がられていたのかもしれない。数箇所に小さな顔料の剥落あり。