CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
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Jewellery〜宝飾品図録13

Austro-Hungarian Enamel and Silver Pendant
Plique à Jour Enamel Silver Pendant probably by Levinger & Bissinger
オーストリア=ハンガリーエナメル銀製ペンダント
Levinger & Bissinger(推定)プリカジュールエナメル銀製ペンダント


Late 19thC Austro-Hungary / c1900 Pforzheim Germany
(右)19世紀後期 オーストリア=ハンガリー帝国
判読困難な刻印 長さ:7.4cm(カン含まず)
エナメル 真珠 模造宝石 銀
(左)1900年頃 プフォルツハイム ドイツ
刻印:(本体)ゾウムシ(フランス輸入印)、E A(輸入者?)
(チェーン)猪の頭、Y(共にオランダ輸入印)
長さ:4.3cm(カン含まず) チェーンの長さ:44.0cm
エナメル 真珠 ペリドット 銀
 
フランスアールヌーヴォーの影響を受けたエナメル細工のシルバーペンダント2点は、ドイツ語圏でユーゲント・シュティールと呼ぶ芸術様式の宝飾品である。
 
1860〜80年代のオーストリア=ハンガリー帝国ではルネサンスジュエリーのリバイバルが盛んであった。右のペンダントは、石留めや鳥の形状に古典様式を残しつつも、中央の裸婦やエナメルの流線装飾にアールヌーヴォー風味を加えた個性的な作品である。作品全体は落ち着いた色調で、7cm以上のサイズの割に着用しやすい。*チェーンは付属しません
 
装身具の生産で古くから歴史を誇るドイツのプフォルツハイムは、フランスのアールヌーヴォー様式を素早く取り入れ、高価な18金のフランス製に対抗して魅力ある銀製品で差別化を図り、多くのジュエリーを市場に送り出した。プリカジュールエナメル(透胎七宝)ジュエリーでは、Karl Hermann (Hermann & Speck)とHeinrich Levinger(Levinger & Bissinger)の工房が特に有名で、左のペンダントは、特徴的なハート形の葉と透けたエナメルの赤紫から緑色へのグラデーション技法からLevinger作品と思われる。同時代の銀製チェーンと赤い革製ボックスが付属する。
 
*2点は別売りです