CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
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Jewellery〜宝飾品図録36

Martin Mayer Guilloché Enamel Silver Locket Pendant
Husson Guilloché Enamel /Diamond Gold Locket Pendant
マルティン・マイヤー作ギョーシェエナメルシルバーロケットペンダント
Husson作ギョーシェエナメル/ダイヤモンド ゴールドロケットペンダント


c1915 Meintz Germany / c1905 France
(右)1915年頃 マインツ ドイツ
刻印:935(純度935)、MM(工房印)
直径:3.3cm(カン含まず) エナメル 銀
(左)1909年頃 フランス
刻印:鷲の頭(18金)、HUSSON(工房印)、ロンドン輸入印、18、.75、O(1909年)、GS(輸入者)、66
直径:2.3cm(カン含まず) エナメル ダイヤモンド プラチナ ゴールド
 
19世紀まで職人が誂えた毛髪細工や肖像細密画の容れ物であったロケットペンダントは富裕層だけが持ち得る重厚な高級品が主流であった。1900年頃から写真の普及や軽快なファッションの流行にともなって、ガラスを排除し写真のみ収められるシンプルで軽やかなデザインのロケットが一般にも広まった。旋盤で刻むことで生み出される模様(ギョーシェ)が透けて見えるよう透明感のあるエナメルを上から施したギョーシェエナメルの20世紀初頭のロケットペンダント2点。ともにカチッと蓋の閉まる良い状態である。
 
機械的な旋盤模様とガーランド(花綱)とリボンの組み合わせが優美なコーンフラワーブルーのエナメルロケットは、銀製の工芸品や宝飾品で評価の高いマルティン・マイヤー社による作品である。ドイツ製のシルバージュエリーでは珍しく、高い純度935の銀を使用した上手物となる。装飾はおもての片面のみ。オリジナル紙箱つき。
 
イエローグリーンのギョーシェエナメルの両蓋2枚で僅か2mmの驚異の薄さ、おもて面中央のプラチナとダイヤモンドの繊細なモチーフ、縁取りとバチカンに細く象嵌した不透明なホワイトエナメルが、一部の隙なく完成している18金ロケットは、パリのエドゥアール・ウッソン(Edouard Husson)の作品である。ウッソンは彫金やエナメルに才能を発揮し国内のみならずスイスの時計メーカーや米国ティファニー社の宝飾時計の製作に携わった一流作家である。この作品も時計を扱うロンドンの高級商店George Stockwell がパリから取り寄せ販売したものである。
 
*2点は別売りです