Jewellery〜宝飾品図録43
2 Cupids Miniature /Enamel /Pearl Locket Pendant
2 Cupids Hand-Painted Porcelain /Enamel /Garnet Locket Pendant
ミニアチュール「ふたりのクピド」パール/エナメルロケットペンダント
陶板画「ふたりのクピド」ガーネット/エナメルロケットペンダント
c1850 /c1870 France
(右)1850年頃 フランス
サイン、刻印なし
長さ:4.9cm(カン含む) 2.5cm(イメージサイズ)
牙板 ハーフパール ガラス エナメル 銀 ゴールド
(左)1870年頃 フランス
陶板に判読困難な刻印
長さ:6.0cm(カン含む) 3.0cm(陶板のみ)
磁器 ガーネット エナメル 銀
ギリシア神話における愛欲の神エロス(ラテン語クピド)は、ルネサンス以降の画家によって羽の生えた幼児として表される。ふくよかな裸の子どもの姿は、神話や宗教と関係なく人を幸福な気持ちにさせることから複数体描かれることも珍しくない。ふたりのクピドを描いた19世紀後期のロケットペンダント2点である。凸状ガラスの裏蓋は蝶番で開閉することができ中に容れたものが見える。当時は写真が普及しておらず毛髪細工や肖像細密画の容れ物であった。アンティークペンダントでは欠損、交換されることの多い本体と揃いのオリジナルのバチカンも見どころである。
黒い背景に弓矢と松明を持つクピドの戯れを白く描いたグリザイユ画法のミニアチュール(細密画)、取り巻くフレームも彫金ゴールドの細枠以外はハーフパールと黒エナメルに白ドットのスカラップという、全てモノクロームのペンダントである。色の無いペンダント、フレーム上部の愛の「絆」を意味するリボンモチーフが僅かに甘さを残す幽玄な作品である。
釉薬なしのマット(ツヤ消し)の黒背景と対照的に水辺で寄り添って2羽の白鳩(愛の寓意)を眺めるふたりのクピドをツヤのある多彩な色合いで描いた陶板画はリモージュ焼きと思われる。シルバーフレームは黒エナメルに白ドットのリボンが絡み合うラブノット(Love Knot、愛の絆)の個性的なデザイン、赤いガーネットが際立つ。
*2点は別売です
*画像に使用しているチェーンは付属しません