La Lunetterie
アンティーク眼鏡小物図録
Lorgnette
ロニエット
人前で顔に眼鏡を掛けることを嫌った貴婦人に愛された2枚レンズの折りたたみ式柄付き眼鏡。当時ロニエットを使用するのは女性に限られ、貴金属や宝石で仕立てたり、ロニエット・チェーンと呼ぶ長いチェーンに取り付け首から下げて着用したり、ファッション小物としても大活躍した。
Spectacles
眼鏡
中世に眼鏡を手にできたのは学者や修道僧であり、眼鏡は知識と教養の象徴であった。長きにわたり眼鏡は手で持たざるを得ず少々不便であったが、鼻に挟むパンスネ(鼻眼鏡)を経て、耳にかけるテンプル付き眼鏡が登場する18世紀、眼鏡用レンズの開発も同時に進歩した。
Opera Glasses
オペラグラス/望遠鏡
劇場の一般席から隔離されたバルコニー貴賓席は、王侯貴族や新興ブルジョワの社交場であった。観客を睥睨しつつも観客の視線を浴びるバルコニー席で、趣向を凝らした装いで振る舞う上流の者の姿はさながらもうひとつの舞台であった。高級なオペラグラスは舞台鑑賞の道具と同時に身分を誇示するステータスであった。
Magnifying Glass
ルーペ/拡大鏡
ドイツ語で拡大鏡や虫眼鏡を意味するルーペ。細密な装飾写本の製作に心血を注ぐ中世の修道士が、小さな文字を拡大して視るための凸レンズを開発したのは13世紀と云われる。レンズ一枚の単眼で低倍率、視野の広いデスクルーペやペンダントルーペ(クイズングラス)、高倍率の折りたたみルーペなどがある。
Lorgnette Chain
ロニエット・チェーン
19世紀の貴婦人は、ナスの形をした留め金具ナスカン付きロングチェーンに時計やシール(印章)、ロニエットやクイズングラスを提げて身に着けた。長さのあるチェーンは、首に二重に巻いて首飾りにしたり、サッシュベルトに通したり、たるませてブローチで留めたりと、その纏い方がセンスの良さの見せ所であった。