Le Reliquaire
アンティーク聖遺物入れ(ルリケール)図録
"Mater Dolorosa” by F. Huberti with 2 Saints Flemish Reliquary, Framed
F. Huberti「マーテル・ドロローサ(嘆きの聖母)」と二聖人の聖遺物入れ
Late 17thC Flanders
17世紀後期 フランドル
23 x 26cm
木 ガラス 紙 石
17世紀フランドル アントワープの版画家 Franciscus Huberti(1630-1687)の銅版画「マーテル・ドロローサ(嘆きの聖母)」を14の聖遺物とクイリングで取り巻いた額入りの聖遺物入れ。14点の聖遺物は2人の聖人名が重複して記されている。
ヨーロッパの中世からルネサンスにかけて、クイリング(Quilling)細工は、修道女が宗教用具を装飾する目的で細長い紙片を巻いて渦巻き型のモチーフを作ったのが始まりとされる。これは、17世紀の装飾を残す貴重な作品である。額縁はモールディングではなく木を手彫りしたものである。
Virgin and Child with Multiple Saints Italian Reliquary, Framed
聖母子像と複数の聖人の聖遺物入れ
Early 19thC Italy
19世紀初期 イタリア
23.5 x 20.0cm
木 ガラス 紙 布 獣骨
柔和な表情をした聖母子の細密画を取り巻く切り絵細工の渦巻き装飾、赤とセピアのインクで聖人名を記した切り絵の隙間に聖遺物を点在させる珍しいスタイルの聖遺物入れ。30点以上の聖遺物が確認できる。細い獣骨の象嵌(修復箇所あり)が目を引くマホガニーの格調高い額装も魅力。
Wood Cross with 3 Saints Reliquaire (French Reliquary), Framed
木片十字架/三聖人の聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
13.3 x 13.0cm
木 ガラス 紙 布 スパンコール
木片で作った十字架とジュネーヴ司教聖フランシスコ・サレジオとフランスアヌシーに女子修道会を設立した聖ジャンヌ・ド・シャンタル、聖テレジアの聖遺物を収めた聖遺物入れは、金色のエンボスペーパーとスパンコールで華やかに仕上げている。額裏は補強のため裏張りの紙が貼り替えられているが、羊皮紙にインクのオリジナルの書き付けが残る。
Infant Jesus (Bisque) with St. Clare & St. Francis of Assisi /St. F. de Sales & St. J. de Chantal Reliquaire (French Reliquary), Framed
ビスク幼子イエス像/アッシジの聖クララと聖フランチェスコ/聖F. サレジオと聖J. シャンタルの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
15.6 x 13.0cm
ビスク ガラス 紙
クイリングで装飾したビスクの幼子イエス像の周りに、フランシスコ会創設者アッシジの聖フランチェスコとその女子修道会を設立した聖クララ、ジュネーヴ司教聖フランシスコ・サレジオとフランスアヌシーに女子修道会を設立した聖ジャンヌ・ド・シャンタルの、四聖人の聖遺物を配している。黒いガラス絵(エグロミゼ)を施したガラス板を金のエンボスペーパーで額縁風に縁取った壁掛け用の聖遺物入れである。ビスク像が際立ち飾り映えする作品である。
Priscillian Reliquaire (French Reliquaries), Framed
プリスキリアヌスの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
14.1 x 13.8cm
木 ガラス 紙 布 模造真珠 金属
西暦385年キリスト教会史上初めて異端として処刑されたヒスパニアのアヴィラ司教プリスキリアヌスの遺物。ラベルに手書きでSt.(聖)Priscillienとあるもののローマンカトリック教会、東方正教会ともにプリスキリアヌスを聖人認定していないことから、彼の教義を支持しその死を殉教と考えるキリスト教会派の中では少数のプリスキリアヌス派のルリケールと思われる。大変珍しい。内部側面に貼った金のエンボスペーパーが美しい。
A Saint Reliquaire (French Reliquaries), Framed
一聖人の聖遺物入れ
c1900 France
1900年頃 フランス
18.5 x 16.0cm
木 ガラス 紙 布 金糸銀糸 模造真珠
金糸や銀糸、模造真珠で取り巻くように装飾された中央の聖遺物は、聖人の骨を模した木片である。色彩豊かで華やかというよりはシックな印象の作品であるが、製作当時はより絢爛であったと思われる。全体に良い状態であるが、遺物下の巻紙に記したセピアインクの文字は部分的に褪色していて判読が困難である。額裏には教会が真正品であることを承認した四つの封蝋が残る。
Virgin and Child (Bisque) with St. Constant and St. Francis of Assisi Reliquaire (French Reliquary), Framed
ビスク聖母子像/聖コンスタンスとアッシジの聖フランチェスコの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
10.5 x 8cm
ビスク 木 ガラス 紙 メタル
着色したビスク製聖母子像を中心に、8世紀アイルランドの司祭で隠修士の聖コンスタンスと中世イタリアにおける重要な聖人、フランシスコ会創設者アッシジの聖フランチェスコの聖遺物をクイリングで装飾した小さな額入りの聖遺物入れ、ブルーの背景に金色の装飾とフレームがフランスらしい配色である。
ヨーロッパの中世からルネサンスにかけて、クイリング(Quilling)細工は、修道女が宗教用具を装飾する目的で細長い紙片を巻いて渦巻き型のモチーフを作ったのが始まりとされる。
4 Saints Reliquaire (French Reliquaries), Boxed
四聖人の聖遺物入れ
Early 20thC France
20世紀初頭 フランス 直径:3.7cm
木 紙 ガラス
中央金色のクイリング(Quilling)細工を四聖人の聖遺物が取り囲む。木製ケース底面に"Souvenir à ma Mére(母の想い出)F. Mare"とインクの手書き文字がある。大切にされたと見られ状態が良い。
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
(右)L 2.3cm(カン含まず) 銀 ガラス 布 紙
(左)直径:3.3cm 木 ガラス 布 紙
1737年に列聖されたカトリック教会の司祭ヴァンサン・ド・ポール(1581-1660)の聖遺物が収められている。1833年フランスにおいて聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ(ラテン読み)会が設立されたことにより、19世紀のフランス製の聖遺物入れには彼のものが多く見られる。それぞれ裏蓋内部には教会が真正品であることを承認した封蝋が残る。右はフランス銀刻印(猪の頭)あり。
*2点は別売りです
*(右)SOLD*
1892 Spain
1892年 スペイン
(本)6.5 x 4.8cm
布 金糸 スパンコール 紙 模造真珠 金属
イエスの言行(福音)を記した文書、新約聖書中のヨハネ、ルカ、マタイ、マルコ(掲載順)による携帯福音書。シルクに金糸とスパンコールでイエスの聖心臓をあしらった表紙。揃いの魚モチーフはイエスやその信徒を表すシンボル(ジーザス・フィッシュ)である。小さなロレートの聖母(イタリアの巡礼地、黒い聖母)のメダイ付き模造真珠のロザリオは後に取り付けたと思われる。
過去の作品
St. Joseph with 10 Saints Reliquaire (French Reliquary), Framed
ナザレのヨセフと十聖人の聖遺物入れ
Late 18thC France
18世紀後期 フランス
22 x 16.7cm
木 ガラス 紙 スパンコール
聖母マリアの婚約者または夫のヨセフが息子イエスを抱く水彩画をカニヴェ(切り絵細工)装飾し、その周囲をヨセフ以外に10聖人の聖遺物とクイリング、スパンコール装飾で取り巻いた聖遺物入れである。
中世から伝わるカニヴェ(Canivet)は、紙や羊皮紙を細いナイフでレースのような透し模様を切り出す細工のことで、18世紀までは修道女が祈りを込めて手作業で聖画を装飾した。素朴ながら細部まで手の込んだ濃密な祈りの工芸品は、19世紀の工業生産されたエンボスレースのカードと違って特別な階級の者だけが手にすることができた。
*SOLD*
Irénée de Lyon Reliquaire (French Reliquary), Framed
リヨンのエイレナイオスの聖遺物入れ
Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
11.8 x 13.2cm
木 真鍮 ガラス 布 紙 ガラスビーズ
エイレナイオス(A.D.130頃-202)は、古代キリスト教の教父、司祭であり、リヨンのエイレナイオスとも呼ばれる。ラテン語ではイレナエウス(Irenaeus)、日本ハリスト正教会ではリオンの聖致命者イリネイと呼ぶ。
ヨーロッパの中世からルネサンスにかけて、クイリング(Quilling)細工は、修道女が宗教用具を装飾する目的で細長い紙片を巻いて渦巻き型のモチーフを作ったのが始まりとされる。フランスではクイリングの聖遺物入れは一般的であるが、これほど濃密に凝った装飾は珍しく、状態も良い。中央の赤い聖衣の聖人像は頭光まで丁寧に手彩色された版画で、それを縁取る小花にはビーズが配され非常に美しい。
*SOLD*
5 Saints Reliquaire (French Reliquary), Cased
五聖人の聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
12.0 x 8.2cm
ガラス 紙 メタル 布
旗を持つ幼子イエスのクロモリトグラフィー(多色石版画、クロモス)、それを取り囲むのは聖マルガリタ・マリア・アラコクなどフランスの5聖人聖女の聖遺物である。薔薇色のヴェルヴェットとサテン地を張った箱、散りばめた金のスパンコールと紙のヒナギクが愛らしい。
*SOLD*
St. Teresa of Avila Reliquaire (French Reliquary), Framed
アヴィラの聖テレジアの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
12.8 x 18.7cm
木 ガラス 紙 布
アヴィラの聖テレジア(1515-1582)は、宗教改革後のスペインにおけるキリスト教神秘主義者で、カルメル会女子修道院の改革に尽力した聖女である。女の顔を描いた細密画を簡素な布に貼り付けただけの聖像は、一見すると仮面をつけたような奇妙な姿で、観る者を惹きつける。
ヨーロッパの中世からルネサンスにかけて、クイリング(Quilling)細工は、修道女が宗教用具を装飾する目的で細長い紙片を巻いて渦巻き型のモチーフを作ったのが始まりとされる。聖女両側のクイリングの百合と手の込んだ冠が美しい。
*SOLD*
Sacrament with St. Marguerite Marie Alacoque Reliquaire (French Reliquary), Framed
聖餐と聖マルガリタ・マリア・アラコクの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
14 x 11cm
木 ガラス 紙 布 模造真珠
模造真珠で葡萄の実、彩色を施した切り絵による葡萄の葉と聖杯(葡萄酒=キリストの血)とホスチア(パン=キリストの肉)は、聖餐(聖体)つまりイエス・キリストを示す。クイリング(Quilling)細工で装飾された聖遺物は17世紀イエスの聖心に対する信心の啓示を受けた聖マルガリタ・マリア・アラコク(1647-1690)のものである。
修道女マルガリタ・マリア・アラコクの前にキリストが出現した"Monastère de La Visitation de Paray Le Monial(パレルモニアル聖母訪問会修道院)"の封蝋が残る。葡萄酒を想起させる珍しいデザインは、豊かな葡萄畑を有しワインで名を馳せるブルゴーニュらしい美しい作品である。
*SOLD*
Caeved Virgin and Child with 7 Saints Reliquaire (French Reliquary), Boxed
牙彫聖母子像/七聖人の聖遺物入れ
Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
7.7 x 4.6cm
獣牙 ガラス 紙 布
蓋つきの小さなカルトナージュ(布箱)の中には、クイリングの台座上の僅か3cmほどの牙彫聖母子像を取り囲むように St. Louis(フランスカペー朝国王ルイ9世、聖王ルイ 1214-70)など7人の聖人聖女の聖遺物が収められている。旅の携帯用と思われる。
ヨーロッパの中世からルネサンスにかけて、クイリング(Quilling)細工は、修道女が宗教用具を装飾する目的で細長い紙片を巻いて渦巻き型のモチーフを作ったのが始まりとされる。
*SOLD*
Virgin and Child (Painted Wood) Reliquaire (French Reliquary), Boxed
彩色木製聖母子像の聖遺物入れ
Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
5.3 x 3.7cm
木 ガラス 紙 布 スパンコール
旅の携帯用の、小さな蓋つきカルトナージュ(布箱)は色合いが華やかなダマスク織。蓋の裏に赤い衣の聖人像の版画が貼られている。ガラス下にはスパンコールとワイヤー装飾の中央に細かくペイントした2cmほどの聖母子像が仕込まれている。固定されていない蜜蝋のような聖遺物は、蓋に描かれた聖人のものであろう。
*SOLD*
"Agnus Dei" with 4 Saints Spanish Reliquary, Diptych
「神の子羊」と四聖人の聖遺物入れ
Late 19thC Spain
19世紀後期 スペイン
6.8 x 5.9cm(閉じた状態)
ガラス 紙 金属
ディプティック(二連祭壇画)形式の携帯サイズ。左翼はマタイ福音書の一節「心の清い人々は幸いである」をフランス語で記した聖心臓のクロモリトグラフ、右翼は針穴で装飾するペーパーピアシング細工の「アニュス・デイ(神の子羊=イエス・キリスト)」を中央に聖母マリア、聖ヨセフ、聖ヤコブ、聖テレジアの聖遺物がガラスビーズや金属のワイヤー、金色エンボスペーパーで荘厳に装飾されている。聖人名はスペイン語表記。非常に良い状態である。
*SOLD*
St. Francis de Sales and St. Jane de Chantal Reliquaire (French Reliquary), Boxed
聖フランシスコ・サレジオと聖ジャンヌ・ド・シャンタルほかの聖遺物入れ
c1820 France
1820年頃 フランス
直径:7.0cm 紙 ガラス 綿 金属
ジュネーヴ司教であった聖フランシスコ・サレジオとともに、1610年フランスアヌシーに女子修道会を設立した聖ジャンヌ・ド・シャンタル、フランスに縁ある聖人両名ほかふたりの聖遺物入れである。ピンク色の背景に華奢な金のクイリング細工がフランスらしく優美な作品。
エンボスペーパーのガラス入り円形ボックスは復古王政期、蓋にガラス絵(エグロミゼ)を施したボンボニエールが貴族間で流行したが、この作品のような聖遺物入れは大変珍しい。
*SOLD*
"Our Lady of Mt. Carmel" with St. Victor and St. Jeanne Reliquaire (French Reliquary), Cased
「カルメル山の聖母」と聖ヴィクトルと聖ジャンヌの聖遺物入れ
Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
直径:11.5 x 6.8cm 紙 ガラス 綿
スカプラリオ(護符)を手にした聖母マリアは「カルメル山の聖母」と呼ばれる。スカプラリオ信仰はカルメル修道会だけでなくカトリック教会全般に広く普及している。
彩色した銅版画の聖母子を中央にピンク色の背景と金色のエンボスペーパーの装飾がフランスらしい優美な作品。傷みやすい紙箱も良い状態。
*SOLD*
Multiple with 14 Saints Reliquaire (French Reliquary), Cased
十四聖人の聖遺物入れ
Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
L 8.6cm(カン含まず)
白色合金に金鍍金 ガラス 布 金糸
装飾の無い金属製の楕円形ケースの蓋を開けると、ガラス板に挟まれた、十字架を取りまく14人の聖人聖女の聖遺物が現れる。巡礼の旅の携帯用と思われる。
*SOLD*
Multiple with 7 Saints Reliquaire (French Reliquary), Framed
七聖人の聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
L 10.7cm(カン含まず)
金色合金 ガラス 布 銀糸 紙
St. Eloi,ev(聖エリギウス A.D.588-660)など7人の聖人聖女の聖遺物が収められている。額裏には教会が真正品であることを承認した五つの封蝋が残る。
*SOLD*
2 Multiple 4 Saints Reliquaires (French Reliquaries), Boxed
四聖人の聖遺物入れ2点
(右)1909 France
1909年 フランス 上蓋直径:4.0cm
(左)Early 20thC France
20世紀初頭 フランス 上蓋直径:4.2cm
ともに木 紙 ガラス ガラスビーズ
ビーズで取り巻いた聖心臓の絵が愛らしい、それぞれ4人の聖遺物が収められた2点。左の作品は蓋が完全に閉まらないが、ともに蓋付きで残存する貴重な作品である。
*SOLD*
Virgin and Child (Plaster Relief) and Multiple 4 Saints Reliquaires (French Reliquaries), Cased
石膏聖母子像/四聖人の聖遺物入れ2点
(右)Late 19thC France
19世紀後期 フランス
直径:2.8cm 木 ガラス 紙
(左)Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
直径:8.0cm 石膏 紙 ガラス シルク房紐
クイリング細工が美しい2点。左は石膏製聖母子像が収められた作品。小空間に4人の聖遺物が収められた右作品は上蓋が欠損している。
*SOLD*
St. Vincent de Paul Reliquaire (French Reliquary), Cased
聖ヴァンサン・ド・ポールの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
3.4 x 4.0cm
金色合金にエナメル ガラス 金糸 紙
1737年に列聖されたカトリック教会の司祭ヴァンサン・ド・ポール(1581-1660)の聖遺物が収められている。1833年フランスにおいて聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ(ラテン読み)会が設立されたことにより、19世紀のフランス製の聖遺物入れには彼のものが多く見られる。裏蓋内部には教会が真正品であることを承認した封蝋が残る。
*SOLD*
St. Francis de Sales, St. Jane de Chantal, St. Marguerite Marie Alacoque Reliquaire (French Reliquary), Silver Cased
聖フランシスコ・サレジオ、聖ジャンヌ・ド・シャンタル、聖マルガリタ・マリア・アラコクの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
L 2.7cm(カン含まず)
銀 ガラス 布 紙
ジュネーヴ司教聖フランシスコ・サレジオ、ともにフランスアヌシーに女子修道会を設立した聖ジャンヌ・ド・シャンタル、イエスの聖心に対する信心の啓示を受けた聖マルガリタ・マリア・アラコク、フランスに縁ある三聖人の聖遺物が収められている。イエスの聖心臓を表す銀ケース、聖遺物の縁取りには小さな天使が装飾されている。フランス銀刻印(猪の頭)あり。
*SOLD*
St. Vincent de Paul Reliquaire (French Reliquary), Silver Cased
聖ヴァンサン・ド・ポールの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
L 3.5cm(カン含まず) 銀 ガラス 布 紙
1737年に列聖されたカトリック教会の司祭ヴァンサン・ド・ポール(1581-1660)の聖遺物が収められている。1833年フランスにおいて聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ(ラテン読み)会が設立されたことにより、19世紀のフランス製聖遺物入れには彼のものが多く見られる。オリジナルケース入り。
*SOLD*
St. Teresa of Avila /St. Jean de La Grille Reliquaire (French Reliquary), Silver Cased
アヴィラの聖テレジアほか一聖人の聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
L 2.7cm(カン含まず)
銀 ガラス 布 紙 模造真珠
宗教改革後のスペインにおけるキリスト教神秘主義者で、カルメル会女子修道院の改革に尽力したアヴィラの聖テレジア(1515-1582)と、ブルターニュ出身の司教聖ジャン(1098-1163)の聖遺物が収められている。銀ケースは1830年の聖母出現の姿、全ての指につけたダイヤモンドの指輪から光線が放たれる不思議のメダイの聖母の図像である。フランス銀刻印(猪の頭)あり。
*SOLD*
St. Anne and St. Peter Italian Reliquary, Silver Cased
聖アンナと聖ペトロの聖遺物入れ
Late 19thC Rome Italy
19世紀後期 ローマ イタリア
L 4.5cm(カン含まず) 銀 ガラス 布 紙
十字架型の銀製聖遺物入れである。十字架下部のネジを回して開けると、内部には教会が真正品であることを承認した封蝋が残る。ローマ銀刻印(交差した鍵)あり。
*SOLD*
Virgin Mary /St. Germaine Reliquaires (French Reliquaries), Silver Cased
聖母マリアの聖遺物入れ/聖ジュルメーヌの聖遺物入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
(右:聖ジュルメーヌ)L 2.2cm(カン含まず)
(左:聖母マリア)L 2.7cm(カン含まず)
銀 ガラス 布 紙
それぞれの蓋には聖人像の周りに、"MARIE A ÉTÉ CONÇUE SANS PÉCHÉ(原罪無くして宿り給いし聖マリア)"、"BIENHEUREUSE GERMAINE(祝福されたジュルメーヌ)"と記される。これらは現代のメダイにも見る意匠であるが、蓋内部に教会が真正品であることを承認した封蝋が残る19世紀作品である。共にフランス銀刻印(猪の頭)あり。
*SOLD*
St. Anne and Virgin Mary /Our Lady of the Miraculous Medal Silver Cases
聖アンナと聖母マリアの銀製ケース/不思議のメダイの聖母の銀製ケース(聖遺物欠損)
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
(右)L 2.7cm(カン含まず)
(左)L 2.2cm(カン含まず)
銀 ガラス 布
左の蓋には天使の上で書物を見る母娘の図像の周りに"SAINTE ANNE ET MARIE(聖アンナと聖マリア)"と記される。右は1830年の聖母出現の姿、全ての指につけたダイヤモンドの指輪から光線が放たれる不思議のメダイの聖母の図像である。聖遺物は失われているが、ガラス入りシルバーロケットとして使用できる。共にフランス銀刻印(猪の頭)あり。
*SOLD*
Infant Jesus in Manger, Framed
額入り飼い葉桶の幼子イエス
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
9.3 x 7.6cm
ガラス 紙 メタル 布
十字架を手にする幼子イエスのクロモリトグラフィー(多色石版画、クロモス)、ブロケード(金蘭銀蘭)生地を使い祝福の光に包まれ飼い葉桶に座すイエス・キリストを立体的に表した聖なるオブジェ。凸状ガラスにメタルフレーム。壁掛け金具が欠損している。
*SOLD*
Silver or Brass "Coeur de MARIE" Ex-Voto Lockets and Holy Water Flasks
銀と真鍮製「マリアの聖心臓」エクス・ヴォト ロケットと聖水入れ
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
刻印:銀製のみフランス銀刻印 長さ:6.0〜14.5cm
カトリック教会において信仰される、燃える心臓(ハート)の図柄はイエスとマリアの聖心臓を表す。イエスの聖心臓(サクレ・クール)は受難を示す茨の冠などが共に描かれ、マリアの聖心臓は薔薇の冠、剣と出血、マリアの頭文字 "M" などが描かれる。炎は強い愛の力の表象である。
銀製と真鍮製の聖心臓型のエクス・ヴォト(奉納物)ロケットと聖水入れの一群は、フランス1870年頃の作品で、無地のひとつを除いて全て聖母マリアを示す図柄やモノグラムが刻まれている。
エクス・ヴォトは、誓願が成就した時に、神や聖人の加護に対する感謝の証として奉納する品で、板絵や金属板等がある。蝶番で開閉できるロケット容器は、願い事や謝意を記し奉納されるだけでなく、聖遺物や護符、故人の形見を入れ、所持されることもあった。聖水入れは炎部分のネジ蓋で開閉できる。共に後ろのカンで壁に掛けることができる。
*SOLD*
2 "Sacré-Coeur (Sacred Heart of Jesus)" Spanish Embroidered Scapulars
「イエスの聖心臓」刺繍スカプラリオ2点
Late 19thC Spain
19世紀後期 スペイン
(右)L 10.0cm 布 紙 金糸 スパンコール
(左)L 9.5cm 布
カトリック教会信者が身に付けるスカプラリオの(護符)の一種。十字架と炎、茨の冠を巻き血を流すイエスの聖心臓を刺繍で表した布を赤いフランネルに縫い付けている。左の聖心臓はヴェルベットで立体的に、右は金糸刺繍で丁寧に装飾されている。共にスペイン語で "Detente (enemigo) el corazón de Jesús está conmigo(災いよ)止まれ。聖心は我と共に"と記したラベルが留められている。
*SOLD*