Miscellaneous〜その他の作品図録08
Silver Pulcinella Baby Whistle and Rattle with Coral Cornicellos and Teether
Silver Baby Rattle with 7 Bells and Tusk Teethers
銀製プルチネッラと珊瑚の笛付きガラガラ/銀と獣牙のガラガラ
Late 19thC Italy / England(?)
(道化師)19世紀後期 イタリア 刻印なし 長さ:14.3cm
(鈴付き)19世紀後期 イギリス(?) 判読困難な刻印(イギリス工房印?) 長さ:14.3cm
欧米において「銀の匙を口に入れて生まれてくる」という表現は、豊かな家系に生まれることを意味する。子どもに貴金属を贈る風習は、子どもの一生を通じて家族の社会的、経済的な地位が保たれるようにという願いが込められている。金製銀製のガラガラ(ベビー・ラトル)はその代表的な誕生祝いの品であり、ユニークな意匠のものも数多く欧米では蒐集家の多いアイテムである。赤ちゃんが口に入れて歯固めできるよう、持ち手は獣牙や珊瑚などの天然素材である。
この2点は珍しい形状のガラガラである。珊瑚のガラガラは、イタリアの即興喜劇コメディア・デラルテに登場する道化師プルチネッラの裾から幸運の角が垂れており、ナポリで魔除けとされる意匠である。衣装の柄やボタンなど非常に繊細な細工である。頭の先が笛となる。獣牙のガラガラは、通常傷みやへこみの多い銀の鈴が7つとも良い状態で鳴りもよい。
*2点は別売りです