Paintings〜絵画図録27
French Porcelain Plaque "Le Tartuffe ou l'Imposteur" by Eugène-Louis Sieffert
フランス陶板画 Eugène-Louis Sieffert作「タルチュフあるいはペテン師」
c1870 France
1870年頃 フランス
署名入り "E. Sieffert" 窯印なし
オリジナル金彩額
イメージサイズ:10.8 x 17.8cm 額:(リボン装飾含まず)17.5 x 26.0cm
フランスの劇作家モリエール(1622-73)の戯曲『タルチュフあるいはペテン師』は1664年国王ルイ14世の祝祭で初演された喜劇である。この陶板画は、主人公オルゴンが信心深い宗教家と崇めるタルチュフが実はペテン師であり、自分の妻を口説く俗物ぶりをテーブルの下から目撃して初めてその本性に気付く、第4幕の名場面を子どもの姿で描いた作品である。
絵付けと焼成を繰り返してひとつの絵を完成させる陶板画は、当時贅沢な室内装飾品であり、オールドマスターによる宗教画などの名画を写した重厚感のある作品が一般的であった。この陶板画は「写し」ではなく画家Eugène-Louis Sieffertの手描きによる完全なオリジナルであり、その意味で大変珍しい作品と言える。Sieffertは1881年以降フランスのセーヴル窯や英国のムーア窯で活躍する。
ロココ・リバイバル様式のオリジナル金彩額に納められたエスプリ豊かで可愛らしいナポレオン3世時代の作品である。
参考資料:[Moliere tartuffe (Wikimedia)]
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/ff/Moliere_tartuffe.jpg