Paintings〜絵画図録33
Illuminated Manuscript on 3 Leaves from "Book of Hours"
中世羊皮紙彩飾写本「時禱書」三葉
Mid /Late 15C France
15世紀中後期 フランス
羊皮紙(ヴェラム)にセピアインク 赤青顔料 金箔
「時禱書」というキリスト教徒が個人で用いる聖務日課書からのRecto(奇数ページ:表)とVerso(偶数ページ:裏)両面書き写しの一葉は、零葉と呼ばれ1冊の写本から切り離したものを指す。15世紀フランスの零葉3点である。テキストはゴシック体で手書きされたラテン語で、盛り上げ磨いた金の飾り文字は剥げも無く美しい。
①聖母の時禱早課 1430-50年頃 おそらくパリ
12.0 x 9.0cm
16行から成る。金を盛り上げた蔦と小花の余白の装飾、同じく金を盛り上げた頭文字が美しい
②シメオンの賛歌 1500年頃 おそらくパリ
16.5 x 11.5cm
ルカによる福音書からの"Nunc Dimittis(ヌンク・ディミティス)"から始まる聖務日課の終課や夕の祈りなどで歌われるシメオンの賛歌。抱神者シメオンが幼子イエスを抱き上げ歌ったとされる。「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり、この僕を安らかに去らせてくださいます」
③死者のための聖務日課 1500年頃 パリまたはルーアン
15.3 x 10.5cm
16行から成る。死者のために捧げる定時課の祈りの文言が書かれている。金を盛り上げた頭文字と植物装飾のボーダーが華やかである
*3点は別売りです