Miscellaneous〜その他の作品図録20
17thC Italian Red Velvet Embroiderd Circular Motief
17世紀イタリア赤ヴェルヴェット円形刺繍モチーフ
Mid 17thC Italy
17世紀中期 イタリア
直径:11.2cm フレーム:27.5cm
カトリック教会の聖職者が着用する祭服または祭壇の前飾りアンテペンディウムの飾り帯に施された装飾の一部分である。赤いシルクヴェルヴェットに絹糸と金銀の糸で聖杯とホスチアの意匠を刺繍した円形のアップリケ・モチーフは、縁取りも金糸使いの贅沢なものである。17世紀当時は絢爛に煌めいたであろう刺繍は、祭礼の際などに象徴的な図像を遠目に分からせると同時に教会の権威を誇示するものであった。
聖杯(葡萄酒=キリストの血)とホスチア(パン=キリストの肉)の図像は、聖餐(聖体)つまりイエス・キリストの暗喩であり、赤は殉教の色を表すことから、主イエスの受難日や聖人(殉教者)の祝日に着用または祭壇に使用された布の一部であったことを示す。 19世紀後期の木製額入り。